c-6)新規な遺伝子発現制御系の開発とその応用


 機能未知遺伝子の機能を同定し、その応用を計ることを目的として、新規な遺伝子発現抑制技術であるRNA干渉法:RNAi法の確立とその応用としての遺伝子機能解明を行なっています。OEC23遺伝子の3'UTRに対する2本鎖(ds)RNAを用いる事により、タバコのOEC23遺伝子を効率的、かつ特異的に発現抑制できる事を明らかにし、植物でも内在遺伝子では2次的な(transitive)RNAiが機能していない可能性を示しています(Biosci. Botech. Biochem., 66(8), 1691-1696 (2002))。さらにこの手法をdifferential RNAi (dRNAi)として発展させ、遺伝子ファミリーのうちの個別の遺伝子の特異的発現抑制が可能であること、さらには、RNAiの標的配列を欠失あるいは変異させた遺伝子を用いて相補/置換することにより、個々の遺伝子機能を解析できることを明らかにしていますPlant Cell Physiol., 46(12): 1885-1893 (2005))。なお、この方法は、37bpの短い配列を標的とした包括的な遺伝子発現抑制法(Plant Physiol. 139: 1175-1184 (2005))と組み合わせることにより、より一般的な遺伝子機能解析/さらには、遺伝子機能改変法として利用することができます。また、新に、オウレンプロトプラスト系を用いた一過的なRNAi系を開発し、ESTの解析により単離されてきた多くの機能未知遺伝子の機能同定のための方法を確立しました(Biosci. Biotech. Biochem., 69:63-70 (2005)。この方法を用いて、イソキノリンアルカロイド生合成系の転写因子の単離と解析(Plant Cell Physiol., 48(1):8-18(2007))に成功しています。


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